現地でしかわからない文化・風習の違いに遭遇して学び、そして「一番大切なこと」を思い出す日本語教師アシスタントもいます。
ハカを踊った後は拍手は禁止
現在の派遣校の日本語の先生の妹が、近くのIntermediate School で教師をしていて、その学校では週1回、日本語の授業ををしているのですが、「日本語を話せる先生がいないから、そこでも教えてみてはどうか?」という提案があり、一度、行ってみました。
そこでassembly(全校集会)の時に、生徒500人の前で自己紹介をし、緊張せずに自己紹介で簡単な文章だけれども、スラスラと英語が出てきたことが、とても嬉しかったです。また、
I had never seen sheep before I came to NZ. I was impressed with sheep. But my school's stutents said to me, "Sheep smells bad!"と(ジョークを)言った時に、大勢の生徒たちや先生の笑いをとることができ、とても嬉しく感じ、また自信にもつながりました。
その集会では、「今日は日本人の先生(私)が来ているから、先生(私)の方を見て、ハカ(HAKA)を踊ってください。」とアナウンスがあって、全員が私の前でハカを踊ってくれました。
その後、私が拍手をしたら、一人の先生が「ハカを踊った後は絶対に拍手をしてはいけない。礼やスマイルをすることがベストである。」ということを注意して教えてくれました。
でもその先生は、本当に一生懸命、私に向かって「せっかくニュージーランドに来たのだからたくさんのことを学んでい欲しいし、私達もあなたからたくさんのことを学びたい。日本人はシャイでおとなしい、というイメージがあるけれど、あなたの自己紹介を見て、私は驚いたし、ぜひ来週も来て子どもたちにいろいろなことを教えてあげてほしい。」と言われました。
ニュージーランドに来る前は、マオリなんてまったく興味がなかったけれど、最近、マオリ文化について学びたい、という気持ちになっています。
たくさんの人たちと出会うことが、自分自身の進歩につながり、成長させてくれています。
日本語のクラス
日本語の授業では、「毎週1回、各クラスで日本文化を紹介してほしい。」と言われ、気合が入っていたのですが、次の週には、もうその話は無かったかのように、今はまったくサポート(個別指導)に徹しています。
でも自分が日本で英語の授業をしていた時も、進度によっては、ALT(Assistant Language Teacher:外国語指導助手)が来ていても、自分で進めてしまったという経験があったので、日本語の先生の気持ちは理解しているつもりです。
そんなわけで、個別指導の場が、今の自分にとっては勝負の場であり、必ず全員のところにまわって、コミュニケーションを取りながら、日本語を教えようと心掛けています。
生徒たちが気軽に質問してくれるようになり、とても嬉しいのですが、まだ生徒たちの英語はまったく理解できません。生徒たちと言葉でコミュニケーションが取れた時、また違った世界が見られるのだろうな、と期待しています。
たった一人の生徒でも
月一回、現地の日本大使館で日本映画を上映していて、「時をかける少女」が上映された回に観に行くことになりました。日本語の先生と私とで、生徒たちに参加を呼び掛けた結果、来たのはたった一人でした。
でもその一人の生徒は来年、日本に留学するということを、その時、初めて知りました。
帰りに日本語の先生の旦那さん(日本人)と話をした時に言われたことが、「来年、彼は日本に留学する予定だから、本気になって綺麗な日本語を教えてやって!!汚い日本語は絶対教えてはダメ。日本の生徒たちがF〇〇kという単語をすぐ覚えてしまうのと同じで、ニュージーランドの子どもたちも、すぐバカ、〇ね!といった言葉はすぐ覚えてしまうから。」と言われました。
日本で英語教師をしていた時は、「今、教えているこの生徒たちの何人かが、将来、海外に行って英語を使うかもしれない。」ということは、恥ずかしながら、一度も真剣に考えたことがありませんでした。一番大切なことを忘れていたような気がします。
今、自分が日本語を教えている生徒の中に、たった一人かもしれないけど、「日本で働きたい」「日本に行ってみたい」と思っている生徒がいることを忘れてはいけない、ということを学びました。
また一人でも多くの生徒たちにそう思わせるのが、今の自分の役割なのかな、と思っています。
#ニュージーランド・北島・ウェリントン郊外の学校で日本語教師アシスタント