海外の学校は、スポーツや自然の中でのアクティビティが盛んで、日本語教師アシスタントもそれらに多く携わるようになります。
しかし、不思議と学校での活動中は事故やケガに見舞われることは少なく、プライベートな時間に事故などに遭遇する人が多いです。
今回は、そんな日本語教師アシスタントに参加する方々にぜひ伝えたい、リスク管理について述べてみたいと思います。
事故やケガは起こる
まずは、当たり前のことですが、事故・怪我には十分気をつけましょう、ということ。ただ、十分に気を付けていても、事件・事故が向こうから勝手にやって来ることは多々あります。
そのため事故やケガに遭った時、どうすればよいか、常日頃から考え、対策を練っておきましょう。
慣れてきた頃に起こります
前タームが終わる直前、ある日本語教師アシスタント参加者が、ホストマザーが運転する車の助手席に乗っていた時に、交通事故に遭いました。結果的には命に別状はなかったものの、相当大きな事故で、頭蓋骨損傷の重傷を負い、ヘリコプターで病院に運ばれていきました。海外にしろ、日本にしろ、人間、生活していると、事件・事故などに遭遇する確率は一定数、存在します。
海外生活を始めたころは、それなりにみなさん気を付けているのですが、数ヶ月過ぎて慣れてくると、そうしたリスクに対して、危機感が薄れてくる日本語教師アシスタント参加者がいるな、と感じることがあります。
ホウレンソウ
危機感の薄れは、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)のおざなり具合に現れてきます。具体的には、自分が話せる状態ではなくなったとき、どのようにホストファミリーや日本の家族、現地スタッフなどに連絡するのか(連絡がとれる状態になっているのか)、その連絡体制をしっかりと確保しておかなくてはならないのに、段々、その連絡がルーズになってくるのです。
例えば、日本語教師アシスタントが活動中、ホームステイ先を移動することはよくあることですが、その移転連絡や新しい連絡先を、最低でも月1回のレポートでもいいのでしていただかないと、緊急時に対応できなくなり、結果として、日本にいるご家族にも連絡することができない、ということになります。
そのため、ホームステイや携帯電話番号等が変わった時などは、ホストファミリーはもちろん、派遣校や現地スタッフにも、何かあったときの連絡先をしっかり前もって伝えておいていただく必要があります。
病気
日本とは何か違う
次に病気についてです。たとえば風邪にしても、日本とはウィルスの種類が違うのか、日本から持ってきた風邪薬ではまったく効かないことがよくあります。そこで、オーストラリアの市販の風邪薬を飲むと、今度は強すぎて具合が悪くなり、救急車で運ばれるという話はよく聞きます。
他には、咳が止まらないけど、熱があるわけではないのでそのままにしていたら、咳のし過ぎで肋骨にヒビが入った・・・といったケースもありました。
なぜか皆さん、病院に行きたがらず、自力で治そうとして、そして悪化させていることが多いです。
日本語教師アシスタント参加者は全員、海外旅行傷害保険には加入されているのですから、たかが風邪ぐらいに思わないで、早急に対処してもらいたいと思います。
紫外線で大ヤケド
オーストラリアは日本の何倍も紫外線が強いことは皆さんご存知なのですが、しかし、うっかり対策を怠ってしまう人もいるようです。実際、日本語教師アシスタント活動が始まって3,4日も経たないうちに、紫外線対策を怠った結果、皮膚がひどくヤケドして、水ぶくれができ、病院にまで行くハメになった人もいます(その人は療養のため、数日、活動をお休みしました)。
オーストラリアの学校はキャンプその他、アウトドア活動が盛んなので、紫外線対策はしっかりやっておく必要があります。
また、アトピー性皮膚炎の方が、紫外線と湿度の低さで持病を悪化させ、活動を中止せざるをえなくなり、日本に帰国した人も過去にはいらっしゃいます。
その方は、日本では通常、長風呂で保湿させることで、なんとかアトピー性皮膚炎を軽減化していたそうです。しかし、残念ながらオーストラリアやニュージーランド他海外はシャワーのみでお風呂がなかったり、使える水の量に制限があったりして(例えばシャワーは7分以内に終わらせなければならないなど)、日本で重宝していた>アトピー性皮膚炎対策を講じることができなかったそうです。
ことわざに Hope for the best, plan for the worst.(最善を望み、最悪に備える)というのがあるように、オージーらしく楽観的に生活を楽しみつつも、最悪のケースにも常に備えて万全を期しておく必要があります。
オーストラリアン・ブルーと呼ばれる広々とした青空、そして開放的な雰囲気が広がるオーストラリアですが、事故や病気は必ず自分の身に降りかかるものとして、今一度、気分を改め、緊張感を持って、海外生活に臨んでいただければ幸いです。