カナダの西端に位置するバンクーバーは、12月初めの寒さがウソのような暖かい新年を迎えました。
どうやらカナダ全体が暖冬のようで、普通はマイナス数十度まで気温が下がる寒い地方で活動をしている日本語教師アシスタント・ボランティアの方からの「凍りそう!」という悲鳴はこの冬は今のところ聞かれません。
年始から学校が始まるカナダ
クリスマスホリデーも明け、日本語教師アシスタントの方も活動を再開。ホリデーに入る前からクリスマスに関連した楽しいイベントが続いていたようで、休み明けにいきなり授業が始まってもなかなか英語の感が戻らなかったり、早いペースに乗れなかったりと苦労している方もいるようです。日本語教師アシスタントのカナダの学校での役割として、
- 「日本語を話すネイティブスピーカー」
と - 「日本文化を知るための生きた教材」
の2つがありますが、今回はもう1つ「日本とカナダの架け橋」的な役割についてお話したいと思います。
昨年9月にアルバータ州の小さな小学校に派遣された日本語教師アシスタントの方は、日本で15年の小学校の先生のキャリアをお持ちです。
まずは日本文化クラブから開拓
カナダの学校では、お昼休みにジャパニーズ・カルチャークラブを毎日開いて、日本文化に興味のある生徒たちを集めて日本文化を紹介しています。切り絵
ある期間ごとにテーマを決めて行っているそうですが、例えば12月の初めはテーマをクリスマスにして、町や木のシルエット、星や雪の結晶などを切り紙で作ったりして、生徒たちに大好評だったそうです。カナダから「年賀状」で文通
また12月のホリデーに入る前には、日本で教えていた小学校の生徒たちに宛てて、年賀状作りをされたそうです。「英語で書いていいよ」と生徒たちに言ったそうですが、4年生や5年生は日本語の文字に興味を示し、頑張って日本語で書いて郵送したそうです。年が明けて生徒たちは日本の生徒から返事が来るのを心待ちにしています。
カナダの戦争記念日きっかけに千羽鶴
Remembrance Dayはカナダの戦争記念日ですが、広島出身のこの日本語教師アシスタントの方は、学校の平和学習の時間に広島の原爆について教える機会が与えられました。そして「A Thousand Paper Cranes Project」を発足させ、千羽鶴を折って広島に送ろうという呼びかけをしたら、ほとんどのクラスが参加し協力してくれたそうです。クラス以外でも鶴を折りたいという生徒からの申し出もあり、ランチタイムに時間をとって一緒に鶴を折ったそうですが、3週間で2000羽を超え、出来上がった千羽鶴は廊下にしばらく飾ったそうです。そして、最後に学校での活動が終わり、日本に帰国した時に鶴を持ち帰って、広島の記念館へ届けたそうです。
どちらの日本語教師アシスタント・ボランティアの方も自分のできる範囲で、日本とカナダの架け橋となって活躍されました。
見たり聞くだけの日本紹介とはまた違って、生徒たちにとって日本がぐっと近く感じたのではないかと思います。今年も日本語教師アシスタントの皆さん一人一人のユニークな活動を期待しています。