私たち日本人が海外に長期滞在するにあたり、生活及び仕事の情報源とする代表的なものに、現地で発行されている日本語情報誌(紙)があげられます。

今回は、シドニー、オークランド、バンクーバーにて発行されている情報誌を例にとり、各国の状況及びその活用方法について述べてみたいと思います。

日本人コミュニティー情報の有益性

海外で生活していても、私たち日本人にとって母語となるのは日本語です。当然、現地の新聞も目にするわけですが、やはり日本語で書かれた新聞の方が親しみやすく、わかりやすいのです。

また、日本語情報誌に掲載されている内容は、現地ニュースの他に、現地日系コミュニティーに関する情報(イベントのお知らせ・その他生活情報)や日本のニュースが掲載され、日本人にとって必要かつ、興味深い情報となっています。

「海外に出てまで日本の情報が必要なの?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、日本人の就職先のほとんどが日本人を顧客とする業種であり、業種間の交流も、そのほとんどが日系企業もしくは日本人マーケットをビジネスとする企業同士であることから、日本の情報というのはお互いに欠かせないものとなるのです。

また、情報誌に掲載される広告も、新しい店のオープン、またはキャンペーン等、日常生活の良い情報源となっています。

現地ビジネスマンにとって、この広告内容というのはたいへん興味深いものとなっており、広告内容の変更及び新規出展広告からライバル企業の指針を窺い知ることができます。

ですから、とある企業が経営方針の転換から広告縮小・掲載中止等を行ったりすると、「あの会社は経営が危ないのか?」などと勘ぐってしまうようなこともありがちなのです。

では実際に各都市でどのような情報誌(紙)が配付されているのか、以下に掲載いたします。

オーストラリア・シドニー

  • 日豪プレス:月刊紙 タブロイド版 日本・オーストラリアの政治・経済・時事情報
  • Cheers:月刊紙 タブロイド版 日本・オーストラリアのゴシップ記事・エンターテイメント情報
  • JP Australia:月刊誌 B5変形版 旅行者向け現地情報誌
  • Infor-M:月2回発行 B5変形版 総合情報誌
  • JAAN:月刊誌 タブロイド版 エンターテイメント情報紙
  • JWP:隔週発行 タブロイド版 日本・オーストラリア時事情報誌

ニュージーランド・オークランド

  • GEKKAN NZ:月刊誌 B5変形 日本・NZの時事情報紙
  • MJ Walker:月刊誌 タブロイド版 エンターテイメント情報誌
  • JANN:月刊誌 タブロイド版 日本・NZのエンターテイメント情報

カナダ・バンクーバー

  • バンクーバー新報:週刊紙 タブロイド版 有料($1)日本・カナダの時事情報
  • Vancouver Tonight :月刊誌 B5カナダのエンターテイメント情報
  • Oops!:月2回発行 タブロイド版 カナダのエンターテイメント
  • ふれいざー:月刊誌 B5変形 カナダの時事・エンターテイメント
  • アドバルーン:月2回発行 タブロイド版 カナダの時事情報

上記の雑誌の比較しての率直な感想としては、内容が充実しているのはシドニーの媒体かもしれません。

各誌(紙)とも共通の傾向として、日本の芸能関係のゴシップ・ネタを掲載しているのですが、これに関しては、内容的には差別化できるような点がなく、どの媒体もはっきり言って代わり映えしません。

媒体の個性を出すためには、それ以外の構成内容をどのようなもので埋めていくか、ということでその評価が変わってくるかと思われますが、シドニーの媒体は競争が激しいためか、オーストラリアの時事情報が充実している(日豪プレス)、オーストラリアのゴシップ・エンターテイメントが充実している(Cheers)等の特徴があり、読んでいても楽しく、またためになる内容が掲載されています。

その点、オークランド・バンクーバーの情報誌(紙)は、現地に関しての情報が、もう一つフムフムと肯ける内容が少なく、中にはどこの国の新聞を読んでいるのかわからないようなものもある(これはシドニーの媒体の中にもあります)という印象を受けます。

デザインに関しては、どの媒体もオーソドックスな構成になっていますが、あえて順位をつけるなら、やはりシドニーが少し頭抜けて、オークランド・バンクーバーがどっこいどっこいといった感じでしょうか?これについては個人の感性ということもあります。

また、どの情報誌(紙)が現地で高い評価を受けているかという事は、媒体の収入源となる広告の掲載状況を見れば一目瞭然であり、高い評価を得ている媒体ほど、日系大手企業の大きなスペースを割いた広告が掲載され、人気が高い媒体ほど、大小合わせて数多くの地元企業の広告が掲載されています。

各情報誌(紙)において、現地にて最も重要視されるのがCLASSIFIEDSのコーナーです。個人売買・求人広告・シェアメイト募集・各種お知らせ等、現地ローカル色を表すこの欄が、充実すればするほど読者も増え、広告主も増えて行く事から、各媒体とも情報集めに奔走しています。まさしく情報はただではない、ということの良い見本ではないでしょうか。

日本にて現地の生活状況を垣間見ることができるのも、このCLASSIFIEDS(クラシファイド)のコーナーかと思います。

最近では日本でもこのような現地情報誌(紙)が入手できる場所も増えてきました。もしも手にするような機会がありましたら、まずはCLASSIFIEDSのコーナーからご覧になってください。有益な情報が掲載されていることもあります。

インターネットで読む!現地新聞
  • 日豪プレス www.nichigo.com.au
  • Cheers www.cheers.com.au
  • 月刊NZ www.jpnz.com
  • バンクーバー新報 www.v-shinpo.com

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