海外で生活するということについて「暮らす」「働く」「学ぶ」と、人によって持つ目的とイメージは様々でしょうが、実際に経験してみないことには、海外で生活することについての喜怒哀楽は、なかなかイメージできないものかと思います。
この生活をとりまく環境についても、ワーキング・ホリデー、留学(学生)、ビジネスマンと、それぞれ置かれている立場によって当然のごとく異なります。
さらに同じビジネスマンでも日本からの駐在員と、ローカルと呼ばれる現地採用のビジネスマンでは、これまた大きなな違いがあります。
「海外で生活したい」と漠然とした希望を持ち、具体的に夢の実現をしようとする際には、具体的な手段について考え、海外に出て自分の置かれる立場についても想像しておく必要があるでしょう。
ビザ
まず、ビザはどうするのか?よく「労働ビザがほしいんですけど」という質問を耳にします。回答としては現地企業のスポンサーを見つけてください、という内容になりますが、企業が見ず知らずの他人を雇用し、ビザのスポンサーをする例など極めて希です。
従ってトライアルとして企業での実績を積み、会社に認められてからビザのスポンサーをしてもらうというのが一般的となるのですが、トライアルをつむということは実際に働くということですので、労働ビザが必要となります。
まるで鶏が先か卵が先か、といった話のようですが、実際にそうなのです。また、永住ビザを取得しない限り、常にビザの問題が付きまとい、転職を考える度にビザについても考えなければなりません。
海外での給与や物価
次に現地での給与についてですが、現地採用の場合、一般的に給与は現地の基準によって定められ、福利厚生も現地社会の通例に従った形となります。この場合、給与はまず日本の平均的な給与額より下回ります。
では物価もそれに比例して安いのかといえば、必ずしもそうとは限りません。日本での生活感覚をそのまま海外に持ち込むと、とても生活はできないというのが現状でしょう。
また生活を取り巻く環境については、日本と比較すること自体がナンセンスとなります。
日本ほど物に溢れ、痒いところに手が届く的な商品を揃えている国は、おそらく無いものと思われます。
従って、売られている物は粗悪品であり、しかも高価であるということがほとんどです。海外に出れば生活の至る所に不便を感じるとういのは当然のことかもしれませんが、想像以上であるという認識は必要不可欠ではないでしょうか。
海外生活の意義
このように海外で生活するということには、常に苦労と悩みを伴い、想像するよりも遥かに忍耐力を要する行為であると思います。しかし、そのような苦労を乗り越えて、実際に海外で生活する人達にとっては、日本的な感覚からすると苦労と思えるようなことも、もはや当然のこととして受け止め、現地での生活をエンジョイしています。
海外で生活する理由については人それぞれかと思いますが、共通するのは、籠の外に出たかったということかと思います。
海外での苦労や悩みだけでなく、楽しみや喜びも、実際に体験してみなければわからないものでしょう。しいては日本の良さも、外の世界から眺めてみないことには、その本質はわからないのではないでしょうか?
海外で生活するということ。社会人としてのキャリアに結びつくか否かは正直言ってわかりません。しかし、自分の人生においては、決して無駄な選択とはならないのでは?と思う次第です。