訪れた人は人なつこいタイの人々の笑顔を忘れることができないでしょう。北部山岳地の古都チェンマイ、神秘的な遺跡の残るアユタヤ、エネルギッシュなバンコク、そして美しいビーチと様々な顔を持つタイ。
敬虔な仏教国でもあるこの国は日本人にも大人気。日本人観光客増加に伴い、日本語学習者も増えつつあり、日本語のネイティブ日本語教師もますます必要とされてきています。
日本語が第2外国語
タイでは日本語が第2外国語。大学入試やビジネスで必要なため、日本語学習者は多いです。また、日本の文化(アニメ、ゲーム、アイドル等)や日本製品の影響で日本文化に興味を持つ人も多く、親日家の国といえます。
多くの日本人の日本語教師が活躍中で、日本語教育は中高等教育を中心に、初等教育にも広がりつつあります。直接法と間接法の併用による教授法はアジア圏ならではです。
国際交流基金の統計によると、タイの日本語学習人口は合計で3万8千人。日本語学習は、中等教育機関、大学、民間の語学学校で行われています。
現在タイ国内には、約2,500校の中等教育機関(セカンダリー・スクール)が存在し、その中の約160校が日本語を外国語選択科目として教えています。
タイ国全体としては、今後英語教育により一層の力を注いでいく計画だが、第二外国語としてはフランス語と日本語が最も人気のある言語となっています。
1998年10月以来、日本語はタイ国の大学入試選択科目に指定され、約700名が日本語の受験に挑んでおり、国際交流基金からは、現在計4名ほどの日本語教師(大学院卒業者)が現地の大学に派遣されています。
タイで求められる日本語教師(アシスタント)像
本格的に日本語教師を目指している方(四年制大学卒業者で、教職免許保持者や日本語教師養成講座修了者など)にお勧めです。また、(日本語で日本語を教える)直接法教授のため、参加に際しては必ずしもタイ語力は必須ではありませんが、一般的な会話ができるくらいの英語力(英検2級以上)をお持ちの方(派遣校にもよります)が優遇されます。
タイでの日本語教師アシスタント事情
現地採用のアシスタント教師
現地でアシスタント教師を勤めている者には、タイに進出した日系企業に勤める駐在員の配偶者、または訪問者として現地に長期間住みついている単独旅行者などもおり、そのバックグラウンドは様々です。タイにおけるアシスタント教師は、学校やそのアシスタント教師の学歴や保有資格、教え方の良し悪しにもよりますが、月に3,000~4,000バーツの報酬を得ているアシスタントもいるそうです。現地採用の日本語教師
タイの地方の大学でも何人かの日本語教師が活動していますが、彼らは基本的に自分で売り込みをかけ、日本語教師の職を得ている人も多いです。通常の生活環境が厳しいので、特に地方の教育機関での日本語教師活動はトラブルが多く、避けたほうが無難です。タイでの日本語教師活動に関する注意事項
タイでのアシスタント教師は、バンコクのみでなく人口の少ない、いわゆる田舎に派遣される場合が多い。バンコク市内は問題ないにしても、遠隔地に行くと衛生上の問題(例:トイレが汚い)など生活レベルの日本とのあまりのギャップに適応できずに、活動期間中にギブ・アップして日本に帰国してしまうケースが多い。また、タイ人との文化的な違いが人間関係を悪化させ、途中帰国に至ることも。そのため、タイで日本語教師ないし日本語教師アシスタント活動参加者は、すでに何度もタイに滞在した事があり、劣悪な生活環境の下での問題なく生活して行けるだけの身体的、精神的準備が十分に出来ている、これらタイの諸事情を十分、経験として持っている者や、アジアなどで日本語教師経験を積んできたものが望ましいです。
タイやアジア初心者の場合は、極力バンコク市内を日本語教師の派遣活動先として選ぶなど注意する必要があります。
タイでのワークビザについて
タイでの就労については、まず日本を出発前にタイ大使館を通してNon-Immigrant ビザを取得してタイに入国。その後、ワーク・パーミットを現地で申請し、許可が下りて初めて公式にタイ国内での就労が許可される事になります。ちなみに現地進出の日系企業の駐在員のうち、適当なワーク・ビザが取得できないため、3ヶ月毎にタイの出入国を繰り返している人が全体の20%ほど存在するようです。
タイの日本人社会の規模
タイでの日本人社会は、基本的にメーカーを中心とする日系企業の駐在員で構成されており、その殆どが首都であるバンコクで勤務、居住しています。その総人口は少なくとも4万人に近いと現地では認識されており、バンコクに駐在する日本人を含む外国人は、国籍別にコミュニティーを作っています。ちなみに日本人の場合には、スクンビット(Skhumvit)と呼ばれる地域に固まっており、この地域には日本食スーパーマーケット(富士スーパー)や日本食レストラン、書店などが軒を並べています。
日本人の住宅事情
タイの日本人の住居は、一般的に高層アパート(日本で言うマンション)であり、需要と供給のバランスでは需要が過多となっています。ただ料金、質ともに良い物件はそれほど多くないため、少しでも好条件の物件があるとすぐにテナントが決定してしまう傾向にあります。バンコクにおける不動産業者はほとんど全てのアパート、商業物件を取り扱っています。現地人(タイ人)の所得
現地で働くローカル・スタッフの給与には職種によりかなり違いがありますが、大別するとおよそ以下の通り。- 工場労働者(ブルーカラー) 5,000B~6,000B/月
- 新卒者 1万5,000B
- 課長クラス 2万5,000B~3万5,000B
- 部長クラス 4、5万B~7万B
- 工場長 ~10万B ※ B:バーツ
現地に駐在する日本人のほとんどは実務レベルのタイ語運用能力を持たないため、特に工場を持つメーカー企業は必ず日本語を話すタイ人スタッフをキー・ポジションに配置しておく必要があり、そのため、日本語教師を企業内に派遣してもらうなどして、タイ人従業員に日本語教育を施している日系企業も少なからずあります。