オーストラリアでの日本語教師アシスタント採用/不採用(手配の裏側)

オーストラリア コラム

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日本語教師補助者の採用通知

留学プログラムの1つとして捉えられていることも多い日本語教師アシスタント・プログラムですが、日本語教師アシスタントは、ボランティアといえど、実はお金さえ払えば誰でも参加できるものではありません。

今回は、そんな日本語教師アシスタントの派遣校探しの過程をご紹介します。

7~8月。日本が真夏で暑いこの時期、南半球にあり季節が逆のオーストラリアのシドニーは、真冬の寒さの中、10月活動開始の日本語教師アシスタントの学校手配(受け入れ先の学校探し)が佳境となります。

そして1つ・・・また1つと受け入れ表明をしてくれる(採用決定)学校が増えて、10月スタートの日本語教師アシスタントの手配業務も終盤に近づき、ほっと胸を撫で下ろす日ももうすぐ・・・といったシーズンとなります。

学校探しをしている過程では、学校(受入校/派遣校)が決まりやすい人と、なかなか決まらなくて苦労する人の2つにハッキリと分かれます。

学校が早く決まる人、つまり採用されやすい人と採用されにくい人の特徴は以下の通りです。

採用されにくい人

×・・・「英語を学びたい/ちょっと体験したい」という受け身な人

日本語教師アシスタントに申し込みをした動機(志望動機)が、「英語力を伸ばしたい」「異文化を体験したい」などがメインの人は、学校側から断られることが多々あります。

言い換えると、「GIVE & TAKE」のTAKEばかりが目立っている人は、なかなか採用してくれる学校が見つかりません。

田舎と都会、中高校と小学校の違い

特に都市部や都市部からそれほど遠くない大規模な学校は、このような方の受け入れを敬遠します。さらにセカンダリーやハイスクールなど、この傾向が強くなります。

小学校などの低学年が、折り紙などの文化紹介・文化交流が中心であるのに対し、上の学年になるほど、外国語の選択科目としての日本語学習に「真剣さ」が増すからです。「日本語」のテストの成績も関わってきます。

まだ若い、おとなしい、受身的であるという印象を受ける方は、「異文化交流さえできれば良い」と考えている田舎の小学校などしか、前向きな返事をくれません。

GIVEしてくれるものがどのくらいあるか?

その理由は、学校側も、興味や文化交流レベルではなくて、本格的に日本語の授業を行っているからでしょう。

遊びではなく、また受け身ではなく、どのくらい、その人が学校での日本語教育において積極的に「GIVE」してくれるか、が求められているのです。

採用されやすい人

〇・・・実務的・具体性がある人

逆に、学校側に送る申込者の詳細(志望動機や学歴など)に、

  • 「将来的に日本語教師になりたい」
  • 「日本語教師養成講座に通っている」
  • 「教える楽しさ、やりがいを追求したい」
  • 「〇〇という日本文化を〇〇という形で(具体的に)教えたい」

などが明確に記されていると、あまり受け入れに前向きでなかった学校でも、Pesonal Detailsを見ると逆に興味を示してくれます。

すでにこれまで何人も日本語教師アシスタントを受け入れたことのある学校だと、上記以外にも、自発的にやることを見つけられる、行動できる、という方をリクエストしてきます。

タイミング(活動開始時期)も大切

また、希望する参加時期と期間によっても、違いが出てきます。

1月から新しい学年がスタートするオーストラリアでは、やはりTerm1(第一学期)が一番忙しいようです。

特に、クイーンズランド州、ノーザンテリトリーにある学校だと、他の州よりもさらに長い夏休みを挟んでからの新学年のスタートとなります。
ですから、10月からの2学期間、Term4とTerm1でアシスタントをしたいという方が断られることもあります。

その理由は、「新しい学年にようやく慣れてきた頃に終了してしまう人を、ただでさえ忙しい時期にサポートするのはちょっと・・・」ということのようです。

やはり、生徒たちも波に乗ってきたTerm2(第二学期:4月)以降も、続けてアシストできる方(つまり3学期間以上、長期活動できる方)を好みます。

また、長い夏休みを挟む前に、休み明けのホームステイを確定するのが難しいという現状もあります。

要望が多いほど日本語教育の未来は明るい

厳しく聞こえることを書いてきたかもしれませんが、裏を返せば、それだけ真剣に日本語の授業をしたいと考えている学校がオーストラリアには多いということです。

オーストラリアにおける日本語教育と日本語教師アシスタントの未来はまだまだ明るいようで、胸を撫で下ろすしだいです。

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