国家資格の登録日本語教員になるための資格の1つ、文化庁認定(届出受理)の420時間の日本語教師養成講座は、国家資格施行前と施行後のどちらに受講したほうがお得なのでしょうか。
日本語教師養成講座を運営している会社は完全に営利目的の商売なので、「明日のお金よりも今日の現金、今日のノルマ」で、とにかく国家資格前に受講させようと勧誘します。
「国家資格前に講座を受講したほうが何かとお得!」とか、「国家資格施行後も講座の資格は有効」などの勧誘文句で申し込ませようとするでしょう。
しかし はたしてその通りなのでしょうか。
文化庁が発表されているの「登録日本語教員の資格取得ルート」(制度施行後のルート)と「登録日本語教員の資格取得に係る経過措置」(制度施行前に資格を取った人のルート)を冷静に比較してみましょう。
結論:国家資格施行後のほうがお得
結論から先に書くと、国家資格施行後に該当の日本語教師養成講座を受講したほうが、何かとお得なようです。理由は以下の通り。
大卒が求められない
文化庁発表の「登録日本語教員の資格取得ルート」https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/93964001_03.pdf
によると、登録日本語教員の制度施行後は、学歴が撤廃されており、例えば420時間の日本語教師養成講座に通って登録日本語教員を目指す場合、施行前と施行後を比較すると、以下のような違いが生じます。
- 国家資格施行前:文化庁届出受理の420時間の日本語教師養成講座+四大卒+応用試験
- 国家資格施行後:文化庁届出受理の420時間の日本語教師養成講座+応用試験
一方、施行後だと学歴は撤廃されるので、文化庁届出受理の420時間の日本語教師養成講座を受けて、あとは「応用試験」を受けるだけで完了します。(「基礎試験」も「実践研修」も免除されます。)
今後、登録日本語教員制度が長らく続くことを考えると、最初から施行後の環境の中で、新たに資格を取っていった方が何かとスムーズです。
現職者の救済が主な目的
全体的に、経過措置というのは、国家資格施行前からすでに日本語教師をされている現職者(現役の日本語教師)の救済措置のために用意されているのがメインと見られ、資格だけ取っていたペーパーな日本語教師は二の次(あまり眼中にない)といった感じです。そのため、日本語教育能力検定試験だけ合格して1年以上の経験がない人などは、経過措置での救済対象にはなっていません。
以上の通り、制度が始まるからといって、駆け込みでいろいろ資格を取得したとしても、かえって面倒くさいことになる事例もありますので、慌てて日本語教師の資格を取ろうとはせず、自分にとって、どのルートとタイミングが一番、安く簡単に資格を取れるのか、見極めたほうがよいでしょう。