日本語教師を目指し英語力もつけたい(留学体験談)

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日本語教師になるにあたって、まずは「自分が外国人になりアウェイな環境で外国語を学び生活する」という体験の有無は、その人の今後の日本語教師人生に大きな差を生むことになるでしょう。

日本語教師を目指すことになったきっかけ

日本語教師は、教える立場でありながら、生徒から学べるという感動を常に感じていられることが魅力的でした。

異文化を肌で感じたいと思い、海外での暮らし方で最も自分に適しているのは何か?を考えた時、私は京都女子大学で初等教育を学んだので、大好きな子どもたちに日本語を教えることを通して、生きた英語を学び、また日本を再発見できればと思ったのが、日本語教師を目指すことになったきっかけです。

海外留学の手段として、日本語教師アシスタントを選んだ理由は、日本語教師を目指す動機にも重なります。自分の英語が未熟であるために、お互いが補い合い、理解し合おうとする心が生まれ、生徒とのよりよい関係を築けるというところにも惹かれました。

費用、研修内容、コーディネートなどを比較検討して、日本語教師アシスタントという形態が自分にふさわしいと思って決めました。

留学出発前の準備

日本語教師アシスタントとしてオーストラリア(タスマニア)に向けて出発するにあたり、私は約10ヶ月前から準備に入りました。主には英会話力をつけること。 英語力については、英語のニュースを見たり、英会話のCDを聴いたり、自分が思ったことを英語で言ってみたりしました。

その他、現地情報の収集や、ホストファミリーが決まった後はホストとのメールのやりとりなどを行いました。

費用は総額で200万円くらい用意しましたが、まあまあ十分だったと思います。

ホストファミリーやホストスクール(派遣校)と前もってEメールや手紙などでコンタクトを取り、情報交換したことが精神的にも助かり、良かったと思います。

また、日本語教授法について、少し本を読んだだけですが、とても役に立ちました。

現地に着いて感じたこと

私の派遣校(活動する学校)はタスマニアにあり、オーストラリア本土から離れているせいか、アジア系の住人は他の都市に比べて極端に少ないと感じました。

生活しやすい点

自然の豊かさは言うまでもありませんが、街並みも大変美しく、住むには絶好の場所だと思いました。

タスマニアには「混雑」というものがないこと。物価の安さ、周囲の足並みをそろえることが常識ではないこと。なんでも聞けることが日本より生活しやすいと感じました。

また、魚がとても新鮮なのが魅力です。ワインの産地としても知られていますが、日本人観光客はほとんど見かけませんでした。

生活しにくい点

土日は閉店する店が多いこと。電車、バスなど公共交通機関が少ないこと。

物事が万事において、ギリギリまで決定しなかったり、突然、変更されるスケジュールが多々あることには戸惑いました。

タスマニアでの生活スケジュール

現地のウィークデー(平日)の平均的な生活スケジュールは以下のような感じでした。
  • 06:00 起床、SBS放送で日本のNHKニュースを見るのが日課でした。
  • 07:00 著書区、トースト、フルーツティーなど
  • 午前中の活動 1,2限目→ティータイム→3,4限目・・・と続きます。4限のうち、1,2時間は空き時間があるので、次のクラスの準備や生徒の提出物を採点したりします。手が空いた時は、音楽や数学など他の授業を訪問して見学したり、お手伝いしたりしていました。
  • 12:40 昼食 サンドイッチ、フルーツティーなど
  • 午後の活動 5,6限目があります。週に2日は隣接しているプライマリー(小学校)へ行って教えていました。
  • 15:00 15時には授業は終わり、16時頃、学校を出ます。日本語の先生がホストファミリーなので、一緒に帰宅の途に就き、スーパーで買い物したりして、帰宅後は夕食の準備を手伝います。
  • 19:00 夕食、肉 or 魚に野菜。ご飯の割合が多いです。夕食後は家族と団らんしたり、読書、趣味のピアノなど。
  • 23:00 就寝、就寝前に日記をつけます。

日本語の授業

心がけていたこと

日本語を教えるにあたって、心がけていたことは、日本人にとっての英語よりも、彼らにとっての日本語は、はるかに馴染みのない言葉ということを常に念頭に置いておくことです。
そのため、完璧な解答でなくても、"You got it!" "Excellent!" "Well done!"など感激して褒めてあげて、生徒たちが自信を持ってくれるように気を配りました。

苦労したこと

日本語は「教養」でしかないので、生徒にとっては英語や数学のほうが大事という思いがあります。そのため、宿題を出しても、してこない生徒が多いし、テストで良い点を採れなくても構わない、という感じがあります。

そのため、授業については、楽しいだけでなく、集中して覚えたり、考えたりするメリハリのあるものにするために、カードや写真、ビデオを使ったり、ペア、グループで練習させたりテストをクイズ形式にするなど工夫して対応しました。とにかく生徒の視覚・聴覚にうったえ、体を動かせることがポイントです。

持参物について

準備してよかったもの

日本の紙幣、浴衣、絵本、小学校低学年の国語のテキスト、剣山などが役に立ちました。

日本語教授法について、少しですが、本を読んでいたことも助けになりました。英語で日本語を教える教授法(間接法)も学んでおくとよいと思います。

持ってくればよかった物/しておけばよかったこと

持ってくればよかったものは、今、日本で流行しているものやゲーム、花火、家族の写真、中学校時代のアルバム(生徒と年齢が近かった頃の自分を紹介するために)などを持参すればよかったと感じました。

日本の紹介というと、つい伝統的なものを、と考えがちですが、現在のありのままの日本の姿を伝える方が、説得力もあり、オーストラリアの子どもたちも興味を示してくれました

また、今の日本の学校教育について、もっと知識を確かにしておくと良かったです。オーストラリアの先生方もやはり日本の教育システムに関心があって、いろいろ質問してくるのですが、私が学生だった頃とは変化しているので、現在の実態を把握しておくと、日豪の違いを発見する点においても役立ったろうと思います。

プライベート(週末や余暇の過ごし方)

ホストファミリーと一緒にショッピングに出かけたり、ガーデニングを手伝ったりしました。夜はオージーの若者とパブで飲んだり、ディスコへ行くのも楽しみの1つでした。

学校の同僚の先生方にパーティーに招待されたり、キャンプに連れていっていただいたりと、とても充実していました。

ホームステイ先は3LDK + Music Room というお宅でした。

11ヶ月間、オーストラリアで日本語教師アシスタントを体験した感想

これから日本語教師アシスタントに参加される方は、自分が母国 日本や日本語のことを全然理解していなかったと思い知らされると思います。

日本人が思いつきもしないような素朴な難問を、たくさん出されることでしょう。例え答えられなくても落胆するのではなく、無知の発見を自分の喜びにしてください。何事にも疑問や好奇心を持ってください。

海外の生活では、解けない難問はどんどん増えるでしょう。難題を多く抱える人は愚かだからでしょうか?いいえ。私は器の大きな人だと思います。

こんなことをしなきゃよかった、と思うことよりも、あんなに心配するんじゃなかった、と思ったことのほうが、はるかに多かったです。後悔したくないから、と何もしなことが、結局、後悔を招くことになると思います。

オーストラリアの生活を通じて体得したことは、自分がやりたいと思ったことを比較的自由にできるということ。周囲の反応をうかがわなくてもいいというよりは、その人がすることに対して、周りの人間がとらわれないという環境はとても素敵で、この感覚を得られたことは今後の人生にとても役立つと確信しています。

# オーストラリア・タスマニアにて日本語教師アシスタント11ヶ月(23歳女性)

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