私が今では心から第二の故郷(ふるさと)と呼べる、オーストラリアの小さな町の公立小学校で、様々な体験をさせていただきました。
たくさんの友達、家族もでき、居心地の良い空間で毎日を楽しく暮らしました。
充実度、楽しみ度、何を取り上げても120%と言える生活の中にも、多少の苦労はありました。
その中でも失敗談を取り上げてみようと思います。
食生活(味覚の違いと8kg増量)
まずは料理についてですが、1軒目にホームステイした家族は共働きで、多いときには週に二度、私がディナーを作って家族を喜ばせていました。そのせいか、私の料理は上手い、とたちまち評判がたち(家族は下手)、どの家に行っても私が料理することが期待されます。
数少ないレパートリーの中から頭をひねり、自分なりに美味しいと思える料理をしました。
両親にはウケが良く、「レシピを教えて」(特にお好み焼き)などと言われましたが、子どもたちからは、
Disgusting.(まずい)と言われ、最初の頃は落ち込みました。
子どもが気に入るようにと、醤油の量を減らしたり、少し甘めに調理してみましたが、ピザやマクドナルドが大好物の子どもたちには、
なぜ日本人はこんなマズイ物を食べるの?と質問されます。
時には、「今日の料理は Japanese Foodよ。」と言うだけで、ダダをこねる子もいました。
私も意地になり、美味しいと言ってほしい一心で、春巻き、餃子のチーズ入りなど(実際は日本食ではないけれど・・・)工夫を凝らし、最後には「料理が上手くなった。」と子どもたちに言われた時には、複雑な気分でしたが、「ヤッタね!!」という充実感がありました。
しかし、それ以外の日は、毎日が肉・肉・肉(豚、鳥、牛、羊のローテーション)で、食後の甘いおやつ付きという食生活で8kg太ったのも事実です。
日本語と英語
次は日本語や日本文化に関する授業についてです。ある日、教室で「上下左右」を教えていると、「下」のところで生徒たちは大爆笑を始めました。
私もこうなることは予想してはいましたが、子どもたちの収集はつかず、
Shit!!の連発です。
また、「前後」を教えた時も、私が後ろのことを。
Back side.と言ったばかりに、また爆笑です。
その時は子どもたちがなぜ笑っているのかわからず、笑っている子どもたちに聞いても教えてくれません。
小学4年生のクラスでしたが、この年齢の子どもは、日本と同じで難しかったです。
後から先生が教えてくれるまで、「おしり」という意味だだとは知りませんでした。
問題児が実は・・・
ある日、小学5年生のクラスに新入生の男の子が入ってきました。いつも一人でブツブツと文句を言い、私の言うことも聞いてくれません。
担任の先生は、
あの子は問題児だから、他の学校を追い出されてここに来たの。と教えてくれました。
友達も出来ないらしく、運動場で私を見つけると、駆け寄ってきます。
私が学校を離れる数日前、彼は私に「両親と祖父母を紹介したい。」と連れてきました。
彼らは目をウルウルさせながら、
この子はいつも家であなたの話をしているの。あなたの授業がある日は楽しみに学校へ行くのよ。と話してくれました。
ただ何気なしに接していた子どもたちに、「私は何かを与えてることが出来ていたんだ」と思うと嬉しくて涙が出てきました。
それ以上に私は子どもたちから言葉では言い表せないほどたくさんのものを頂いてきたと思います。
生涯忘れることのできない最高の1年間でした。
この学校に派遣してくださったみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
# オーストラリアの公立小学校で日本語教師アシスタント