カナダでの日本語教師アシスタント活動記録

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カナダのオンタリオ州は、カナダ最大の都市、トロントが有名ですが、そのトロントの郊外にある学校での6ヶ月間の日本語教師アシスタント活動記録です。

派遣地(町)について

トロントの北東に位置するこの町は、北海道の名寄(なよろ)市との姉妹都市です。この具体的な内容について人に聞かれることはまず無いと思いますが、一応姉妹都市関係があるという事実は知っていて損はないでしょう。

日本との間で高校生の交換留学プログラムなどを行っているようです。その他具体的な交流の内容が知りたければ、この町の Public Libraryの中にいる担当者に聞けばわかるそうです。

この姉妹都市に関係して、この町の公立図書館の入り口には、日本の着物、人形、羽子板・・・など. ちょっとした日本関連の展示がしてあります。

トロントへは毎日1本バスが出ていて、片道約1.5~2時間、片道$20くらいです。町外れにあるモーテルがバス亭で、ここがチケットの発行などをしていて、時刻表などもおいてあります。

一応ダウンタウンにもバスストップがあるのですが、バスがけっこう遅れたりするので、冬などはここで待つのはつらいものがあるかもしれません。

またこの町の人は比較的トロントへ行ったり来たりする人が多いので、スタッフなどでタイミングのあう人がいたら車に乗せて行ってもらうのも手だと思います。

カレッジが町外れにあって、夜間の単科コースも設置しています。私も一度コンピューターのコースを週一回、3ヶ月ほど、興味本意で受けてみました。

田舎のカレッジなので、それほどバラエティーに富んだコースがあるわけではないのですが、試しにブックレットを取り寄せてみるのもよいかもしれません。

ちなみにここにはESLはありません。友人がかなり頑張ってこの町でESLを探していましたが、あまり成果はなかったようです。

彼女は最終的に社会福祉事務所のようなところを通じて、やっとボランティアで英語を教えてくれる人を紹介してもらいましたが、この事務所は基本的に、外国人にというよりは主に、地元民で言葉の習得に困難がある人を対象にした事業を行っているようなので、期待するようなチューターを見つけてもらうのはかなり困難な様子でした。

個人的にねばって探せば見つかるのかもしれませんが。

そのカレッジの隣には、レクリエーション・コンプレックスというのがあって、フィットネスやプール、冬はスケートリンクなどもあります。ダウンタウンにも一つフィットネス・クラブがあります。

派遣校について

フレンチ・イマージョン

私が日本語教師アシスタントとして派遣された学校(以下、派遣校)は基本的に全校の8割が、フレンチ・イマージョン(全課目の授業がフランス語で行われる)のクラスです。これらのクラスでは私が訪れる時だけは英語を話すことが許されるといった状況です。

ネイティブ・フレンチ・スピーカーの先生も数名いらっしゃいますが、全員英語が話せますし、スタッフルームでの会話などは"基本的に"英語が中心なので、特に心配は無いと思います。

課外活動

冬期(1~2月)には、学校で Ski Clubというのが通算4~5回あって、私も参加させてもらいました(down hillです)。費用は$36くらいで、往復のバス代、リフト一日券、スキー板レンタル(ボードは少しだけ高い)が含まれる、お得な日帰りスキーツアーです。

ウェアーのレンタルは無いので、自分で持ってくるか、誰か知人に借りるということになります。

その他、たまに生徒のフィールド・トリップにスーパーバイスで同行させてもらえる機会もあると思います。

専任の日本語教師はいない

この学校には基本的に日本語を教える先生はいないので、日本人アシスタントのスケジュールなどは Resource teacherやコンタクトスタッフが組んでくれましたが、授業の内容を決めるのはすべて自分一人、全て任されている状態でした。

この先生達もかなり多忙な様子でしたが、何か相談や問題があった場合は、随時相談して構わないと思います。

日本/日本語に関する活動内容

ご参考までに私がこの学校で行った活動内容をご紹介しますが、比較的フレキシブルな学校なので、担当の先生と相談しながら、全く違った形をとっていくのもよいと思います。

私の時は、全クラスを対象にした時間(私は主に文化を教えました)と、クラスから6人だけ通常授業から抜き出して行う日本語のEnrichmentを行いました。

この学校では体育館とコンピューター・ラボの各クラスへの割り当て時間の関係で、6日間が1サイクルとなっていますが、私の時は、最大の授業数を持っていた時で、1サイクルの中で、クラス全体で行う文化の授業を15クラス、少人数のEnrichmentグループを9グループ持っていました。1ピリオドは40分で、私の1日の授業は平均4ピリオドくらい、その他にキンダーガーテンのクラスのヘルプもやっていました。

その他の空き時間は授業準備にあてていました。しかし、私も最初は慣れていなかったのでクラス全体に行う授業だけにしてもらい、このリズムに慣れたら日本語の方もやらせてもらう、という形にしました。基本的に、担当の先生は、私がやりやすいようにスケジュールを組んでくださったので、希望はどんどん伝えたらいいと思います。

私の文化の授業は準備の効率化をはかるため、だいたい1サイクルの中では同じ題材をほとんど全てのクラスで扱うという形をとりました。もちろんKindergartenとGr.8では同じ題材と言ってもやり方を少し変えなくてはならないですし、担任の先生によっては必ずしも毎回40分きっかりくれるとは限らないので、その辺は臨機応変に対応しました。

とくに低学年のクラスはうるさくなったりしがちですが、担任の先生がついていてくれていることになっています。担任の先生の授業への参加度合いはその先生によってまちまちですが・・・。

日本語の方は、1グループにつき40分×5時間という短いサイクルなので、本当に初歩の初歩を教えたという感じでした。この学校の生徒はほとんどが地元の高校に進み、そこには日本語の授業はないので、なかなか継続して学ぶということはできないと思いますが、少なくともEnrichmentに参加する生徒はすごく日本語に興味を持っていることは確かです。

ちなみにこのEnrichmentの際は私以外に先生がついているわけではなく、少人数とはいえ全く一人で教える形だったので、初めは生徒をコントロールするのに多少の困難を感じましたが、そのうちに慣れました。

過去の日本語教師の活動内容

私の前任のアシスタント教師の方がこの他、ラジオ体操、すもう、各種折り紙、etc.etc.教えられていたようです。詳しいことは記録がないので不明です。

私も多少重複した内容をやったこともありますが、生徒もやったことを忘れていますし、同じことをやっても教える人によってまた違った側面が見えてくると思いますので、全く問題無いと思います。前任の方は、Gr.6の英語クラスで生徒と一緒にSocialの授業を受けたり、Kindergartenでフレンチを習ったりされていたそうで、こういったことも希望があればアレンジしてもらえると思います。

私が学校で作成した教材で使えそうなものは残してあります。例えば以下のようなものです。

  • 絵(日本家屋の中、食べ物、学校の制服、お正月について、)
  • 紙芝居(英語)-舌きりすずめ、かさこ地蔵
  • 日本語のハンドアウトなど
  • クラフト関係-ひな人形、こいのぼり、おみくじ、折り紙-200枚くらい(?)
  • その他-日本のお金(コピーして作ったもの)、漢字(象形文字)カード、けん玉、鬼のお面、割りバシ少々(使用済み・未使用共)、歌の歌詞をを何曲か模造紙に書いたもの、大きい「あいうえお」表etc. etc.

この町で唯一、日本語を教える女性の先生が高校にいらっしゃり、その方が、教材になりそうな物をいろいろ持っているので、こちらに来てからでも、一度連絡をとって、彼女の在庫(?)を見せてもらうと良いかと思います。

私も彼女にいろいろ借りましたし、私が日本で録画したテレビ番組のテープや、新聞広告、旅行のパンフレットなど私が彼女にあげたものも残っていると思います。

この学校のコンタクトスタッフらに聞けば、その女の先生の連絡先を教えてくれると思います。私は彼女のクラスにもvisitorとして何回か参加しました。

その他の活動

その他、この学校以外の公の場では、私の滞在中には近隣の町の高校から依頼を受け、ドラマのクラスで盆踊り(炭坑節)と生活習慣などを教えに出張、公立図書館から依頼を受けて、日本文化に関するちょっとした子供向けのイベントなどをやる機会がありました。また時々、学校のスタッフや保護者からプライベートの団体などで話をしてほしいなどと、頼まれることもあり、都合のつく限りは引き受けていました。

各種物品の購入について

基本的に食品などはホームステイ先の方が買い物に行ってくださると思うので(もしくは一緒に行くか)問題無いと思いますが、その他、日用品なども、ほとんどこの町のダウンタウンか、町はずれにあるモールなどで、用がたせると思います。

和食の食材

町にあるヘルスフード・ストアで海苔と味噌(US産)は見かけました。(場所はたぶん誰に聞いても知っていると思います。)

あとちょっとした煎餅(US産)などは、Loblawsなどのスーパーでもたまに売っています。日本米に近い米、米酢や醤油もどこかしらスーパーで買えます。

その他は、車で40分ほどのPeterboroughにチャイニーズの食材が売っている店があるらしいのと(私は行ったことがない)トロントまで行けば、SANKOなど日本食材を扱う店がいくつかあります。

折り紙について

下記のお店は折り紙のみならず、和紙もかなり豊富にそろっています。
ただし価格は日本の2倍。(もちろん授業で使う分については学校に請求できます。)

  • The Japanese Paper Place (https://www.japanesepaperplace.com/)


#カナダ・オンタリオ州トロント北東部の学校で日本語教師アシスタント

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